余裕なんてない。
支店には一個上の女の先輩がいる。
しっかり者で頼りになるし、気さくで話しやすい。
わたしはこの先輩が好きだ。
これがまず大前提にある。
けどねけどね、本音言っちゃうとね。
仕事が絡むとやっぱり複雑。
ノルマというものがある限り、
試験というものがある限り、
・・・というかこの仕事をしている限り、
比べるべき対象があるのだもの。
先輩が一つ何かで成果を挙げると
すげーって心から尊敬する面、
めちゃんこ悔しい。
具体的な話、先輩が何かセールスをして得る瞬間を見てしまうと
結構仕事が上の空になったりする。
『え?今声かけるの?あら、何やらいい感じ?あ、契約?あ、用紙書いてる。がーん』
とね。
仕事中なのに関わらず、耳だけだんぼにしてこっそり聞いてんの。
いやらしいでしょ、ほんと。
セールスはタイミングや運もすごく大事だと思うんだけども。
こないだ、おいしい客が全部先輩の方に言っちゃって案の定やっぱりな結果になって
どうしようもないんだけど、ほんとなんかやりきれなかった。
順番的にこっちになってた人もいたのに。
ちくしょう。
てこんなことを大好きな先輩に対して思ってる自分も嫌だった。
偽善者?
自分を正当化したいだけ?
とにかくやっぱりすっきりしない。
休みの日は飲んで飲んで綺麗さっぱり忘れてたけど、
仕事近づくと思い出して、ずーん。
同じフィールド内に立つ人がいるというのは、
同じ心境に立ち気持ちを分かち合えるという素敵なことなんだけども、
同時に比べちゃって卑屈になっちゃうこともあるんだよね。
でも、そういう人がいるってのは有難いことなんだよな、きっと。
だって、ライバルがいなきゃ自分が成長できないじゃんね。
あーでも仕事のノルマとか出来具合とか比較されたくない。
つーか負けたくないんだよ、バカ。
すっきりしない。
ぶっちゃけた話、同じ支店に同期の女の子がいなくて良かったと思う。
たぶん入ってこないだろうけど、もしこの春わたしの支店に来る新人がいるなら、
男であってほしい。
フレッシュなボーイ期待してるよ。
てか、出来ることならやっぱ誰も来ないで・・・。


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